呻吟語 / 外篇・治道・眾を御するの道
御眾之道,賞罰其小者,賞罰小,則大者勸懲;甚者,賞罰甚者費省而人不驚;明者,人所共知;公者,不以己私。如是雖百萬人可為一將用,不然必勞、必費、必不行,徒多賞罰耳。
新字:御衆之道,賞罰其小者,賞罰小,則大者勧懲;甚者,賞罰甚者費省而人不驚;明者,人所共知;公者,不以己私。如是雖百万人可為一将用,不然必労、必費、必不行,徒多賞罰耳。
書き下し
眾を御するの道は、其の小なる者を賞罰す。小を賞罰すれば、則ち大なる者勸懲す。甚だしき者は、甚だしき者を賞罰すれば費省きて人驚かず。明なる者は、人の共に知る所なり。公なる者は、己の私を以てせざるなり。是の如くんば百萬人と雖も一將の用を為す可し。然らずんば必ず勞し、必ず費え、必ず行はれず、徒らに賞罰を多くするのみ。
現代語訳
大勢を御する道は、小さなものを賞罰することです。小さなものを賞罰すれば、大きなものが勧められ懲らされます。ひどい場合は、ひどい者を賞罰すれば費えが省けて人も驚きません。明らかとは、人がともに知っていることです。公とは、自分の私によらないことです。こうであれば百万人でも一人の将の用をなせます。そうでなければ必ず労し、必ず費え、必ず行われず、ただ賞罰を多くするだけです。
解説
賞罰の要点を四つ挙げます。小さなものを賞罰する、ひどい者を賞罰する、明らかであること、公であること。最初の二つが対になっていて、日常は小さなことで、ひどい場合は最たる者で示す。どちらも全員を賞罰しません。そして明と公が加わります。誰もが知っていて、私情によらない。四つ揃えば百万人も動かせるとされます。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
賞罰小最たる者明公
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