呻吟語 / 外篇・治道・酒禁を嚴にせず
酒之為害不可勝紀也,有天下者不知嚴酒禁,雖談教養,皆苟道耳。此可與留心治道者道。
新字:酒之為害不可勝紀也,有天下者不知厳酒禁,雖談教養,皆苟道耳。此可与留心治道者道。
書き下し
酒の害為るは勝げて紀す可からざるなり。天下を有つ者酒禁を嚴にするを知らずんば、教養を談ずと雖も、皆な苟道のみ。此れ治道に心を留むる者と道ふ可し。
現代語訳
酒が害となることは数え上げきれません。天下を持つ者が酒の禁を厳しくすることを知らなければ、教え養うことを語っても、みな間に合わせの道にすぎません。これは治める道に心を留める者と語れます。
解説
酒の禁を、教養を語る前提として置きます。禁じなければ、教え養う議論はすべて間に合わせだ、と。前に出てきた、財を減らす十二の項目の筆頭にも酒造の禁がありました。穀物を消費し、判断を鈍らせ、争いを生むからでしょう。理由を並べず、数え上げきれないと言うだけで済ませているのが、かえって強い調子になっています。
この章句が説くこと
酒禁前提教養間に合わせ
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