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呻吟語 / 外篇・治道・實用を喪ひて無用を求む

天下萬事萬物皆要求個實用。實用者,與吾身心關損益者也。凡一切不急之物,供耳目之玩好,皆非實用也,愚者甚至喪其實用以求無用。悲夫!是故明君治天下,必先盡革靡文,而嚴誅淫巧。

新字:天下万事万物皆要求個実用。実用者,与吾身心関損益者也。凡一切不急之物,供耳目之玩好,皆非実用也,愚者甚至喪其実用以求無用。悲夫!是故明君治天下,必先尽革靡文,而厳誅淫巧。

書き下し

天下の萬事萬物は皆な個の實用を求むるを要す。實用とは、吾が身心と損益に關はる者なり。凡そ一切の急ならざるの物、耳目の玩好に供する者は、皆な實用に非ざるなり。愚者は甚だしきは其の實用を喪ひて以て無用を求むるに至る。悲しいかな。是の故に明君の天下を治むるや、必ず先づ盡く靡文を革め、而して嚴しく淫巧を誅す。

現代語訳

天下の万事万物は、みな実用を求める必要があります。実用とは、自分の身と心に損益として関わるものです。すべて急を要さない物、耳目の遊びに供する物は、みな実用ではありません。愚かな者は、ひどい場合には実用を失ってまで無用を求めます。悲しいことです。だから明君が天下を治めるときは、必ずまず華美な飾りをすべて改め、度を越した巧みさを厳しく罰します。

解説

実用の定義が、身と心の損益に関わるかどうかに置かれます。役に立つかどうかではなく、自分に響くかどうかです。そして耳目の遊びに供する物は実用でないとされます。さらに、愚者は実用を失ってまで無用を求めると言います。ここが要点で、無用を求めるだけでなく、実用を犠牲にする点が問題になっています。治道篇の政策論として、華美の禁止と過度の巧みさの処罰が導かれます。生活の贅沢を、政治の課題として扱う立場です。

この章句が説くこと

実用無用玩好華美犠牲

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