呻吟語 / 外篇・治道・淫巧誅せずして理財を講ず
滿目所見,世上無一物不有淫巧。這淫巧耗了世上多少生成底財貨,誤了世上多少生財底工夫,淫巧不誅,而欲講理財,皆苟且之談也。
新字:満目所見,世上無一物不有淫巧。這淫巧耗了世上多少生成底財貨,誤了世上多少生財底工夫,淫巧不誅,而欲講理財,皆苟且之談也。
書き下し
滿目見る所、世上一物として淫巧有らざるは無し。這の淫巧は、世上多少の生成底の財貨を耗し、世上多少の財を生ずる底の工夫を誤る。淫巧誅せずして、理財を講ぜんと欲するは、皆な苟且の談なり。
現代語訳
見渡す限り、世の中に度を越した巧みさの無い物はありません。この度を越した巧みさが、世の中のどれほどの出来上がった財貨を消耗し、どれほどの財を生む働きを誤らせていることか。度を越した巧みさを罰せずに財を治めることを論じるのは、みな間に合わせの話です。
解説
贅沢品の製作を、二重の損失として捉えます。作るために財貨を消耗し、作る手間が財を生む働きを奪う。材料と労力の両方が失われるということです。だからこれを放置したまま財政を論じても、間に合わせにしかなりません。前に出てきた、明君はまず華美を改め過度の巧みさを罰するという段と同じ主張で、こちらは財政論として述べられています。
この章句が説くこと
淫巧二重損失財政間に合わせ労力
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