呻吟語 / 外篇・治道・禮は嚴にして法は恕
禮重而法輕,禮嚴而法恕,此二者常相權也。故禮不得不嚴,不嚴則肆而入於法;法不得不恕,不恕則激而法窮。
新字:礼重而法軽,礼厳而法恕,此二者常相権也。故礼不得不厳,不厳則肆而入於法;法不得不恕,不恕則激而法窮。
書き下し
禮は重くして法は輕く、禮は嚴にして法は恕なり。此の二者は常に相ひ權るなり。故に禮は嚴ならざるを得ず。嚴ならざれば則ち肆にして法に入る。法は恕ならざるを得ず。恕ならざれば則ち激して法窮まる。
現代語訳
礼は重くて法は軽く、礼は厳しくて法は寛やかです。この二つは常に釣り合いを取ります。だから礼は厳しくないわけにいきません。厳しくなければ、恣になって法に入ります。法は寛やかでないわけにいきません。寛やかでなければ、激して法が窮まります。
解説
礼と法の性格を、正反対に定めます。礼は厳しく、法は寛やか。逆に見えますが理由が明快です。礼が緩ければ、恣になって法の領域に入ってしまう。法が厳しすぎれば、追い詰められて法が効かなくなる。手前で厳しく、最後は寛やかにという配置で、二つが釣り合いを取る仕組みが示されています。礼が緩めば法が忙しくなる、という連動も読めます。前もって厳しくするほど、後で寛やかにできるのです。
この章句が説くこと
礼法厳恕配置手前釣り合い
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