呻吟語 / 外篇・治道・禮繁ければ則ち行ひ難し
禮繁則難行,卒成廢閣之書;法繁則易犯,益甚決裂之罪。
新字:礼繁則難行,卒成廃閣之書;法繁則易犯,益甚決裂之罪。
書き下し
禮繁ければ則ち行ひ難く、卒に廢閣の書と成る。法繁ければ則ち犯し易く、益ます決裂の罪を甚だしくす。
現代語訳
礼が繁雑なら行いにくく、ついに棚上げされた書になります。法が繁雑なら犯しやすく、ますます引き裂かれた罪をひどくします。
解説
繁雑さの害を、礼と法で別々に示します。礼は繁雑なら行われず棚上げされ、法は繁雑なら犯しやすくなります。害の出方が違うのが要点で、礼は無視され、法は違反者を増やします。どちらも作り手の熱心さが裏目に出る形です。前に出てきた、少しゆるやかでよいという段と、法を行うのが厳しくなければ無いほうがましだという段の両方に繋がっています。
この章句が説くこと
繁雑棚上げ違反礼法裏目
関連する章句
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『呻吟語』外篇・治道・禮は嚴にして法は恕禮は重くして法は輕く、禮は嚴にして法は恕なり。此の二者は常に相ひ權るなり。故に禮は嚴ならざるを得ず。嚴ならざれば則ち肆にして法に入る。法は恕ならざるを得ず。恕ならざれば則ち激して法窮まる。
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『呻吟語』外篇・治道・禮行はるれば則ち刑措く禮と刑と二者は常に相ひ資くるなり。禮先にして刑後なり。禮行はるれば則ち刑措き、刑行はるれば則ち禮衰ふ。
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『呻吟語』外篇・治道・法多ければ則ち遁情愈いよ多し法多ければ則ち遁情愈いよ多し。之を逃るる者に譬ふるに、千人の群に入れば則ち覓む可からず、三人の群に入れば則ち藏る可からず。
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『呻吟語』外篇・治道・法を行ふこと嚴ならずんば、法無きに如かず奸を防ぐの法は、畢竟姦を作すの人に疏なり。彼の姦を作す者は、拙なれば則ち偽を作して以て防を逃れ、巧なれば則ち法に就きて以て弊を生ず。但だ害を去らざるのみならず、反つて其の害を益す。彼の作す者は十にして、犯す者は一のみ。又た其の罪を輕くして以て未だ犯さざる者の勸めと為さば、法奈何ぞ行はるるを得ん。故に法を行ふこと嚴ならずんば、法無きに如かず。
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『呻吟語』外篇・治道・法に定まり有りて持循す法に定まり有りて之を持循して易へずんば、則ち下の耳目心志習ひて上逸なり。定まり無くんば、則ち上の指授口頰煩はしくして下亂る。
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『呻吟語』外篇・治道・禮に遠ざかれば則ち刑に近づく刑禮は二物に非ざるなり。皆な人をして善に遷りて惡を去らしむるなり。故に禮に遠ざかれば、則ち刑に近づく。