呻吟語 / 外篇・治道・情・禮・法の三者
聖明之世,情禮法三者不相忤也。末世,情勝則奪法,法勝則奪禮。
新字:聖明之世,情礼法三者不相忤也。末世,情勝則奪法,法勝則奪礼。
書き下し
聖明の世は、情・禮・法の三者相ひ忤らざるなり。末世は、情勝てば則ち法を奪ひ、法勝てば則ち禮を奪ふ。
現代語訳
聖明の世では、情と礼と法の三つが互いに逆らいません。末世では、情が勝てば法を奪い、法が勝てば礼を奪います。
解説
三つの要素の関係で、時代の質を測ります。良い世では情と礼と法が食い違わない。末世では奪い合いになります。情が勝てば法が無視され、法が勝てば礼が失われる。どちらかが強くなること自体が末世の印だという構図です。前に出てきた、人情に近くないものは道の賊だという段と、法は偏りなくという段を合わせると、三つの均衡が主題だと分かります。短く鋭い一段です。
この章句が説くこと
情礼法均衡末世奪い合い測る
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