孔子家語 / 六本
孔子曰:「舟非水,不行;水入舟,則沒。君非民,不治;民犯上,則傾。是故君子不可不嚴也,小人不可不整一也。」
新字:孔子曰:「舟非水,不行;水入舟,則没。君非民,不治;民犯上,則傾。是故君子不可不厳也,小人不可不整一也。」
書き下し
孔子曰わく、「舟は水に非ざれば、行かず。水舟に入れば、則ち没す。君は民に非ざれば、治まらず。民上を犯せば、則ち傾く。是の故に君子は厳ならざる可からざるなり、小人は整一ならざる可からざるなり。」
現代語訳
孔子は言った。「舟は水がなければ進まないが、水が舟の中に入り込めば沈んでしまう。君主は民がいなければ国を治めることができないが、民が上の者に逆らえば国は傾いてしまう。だから、君子(為政者)は厳格でなければならず、小人(民)は秩序立って一つにまとまっていなければならない。」
解説
舟と水の関係を、君主と民の関係の比喩として用いた短い教えです。舟は水があってはじめて進むことができますが、水が制御を失って舟の中に入り込めば、その舟自体を沈めてしまいます。同じように、君主は民があってはじめて国を治めることができますが、民が秩序を失って上の者に逆らえば、国そのものが傾いてしまいます。ここから孔子は、為政者は民を統治するにあたって厳格な規律を保つ必要があり、民の側も秩序立ってまとまっている必要があると結論づけています。支える存在と支えられる存在が、互いに適切な節度を保ってこそ全体が安定するという、統治の要諦を簡潔に示した一節です。
この章句が説くこと
舟水の譬え君主民統治節度
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