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呻吟語 / 外篇・治道・禮の一字は全く是れ個の虛文

禮之一字,全是個虛文,而國之治亂、家之存亡、人之死生、事之成敗罔不由之。故君子重禮,非謂其能厚生利用人,而厚生利用者之所必賴也。

新字:礼之一字,全是個虚文,而国之治乱、家之存亡、人之死生、事之成敗罔不由之。故君子重礼,非謂其能厚生利用人,而厚生利用者之所必頼也。

書き下し

禮の一字は、全く是れ個の虛文なり。而して國の治亂、家の存亡、人の死生、事の成敗は之に由らざる罔し。故に君子の禮を重んずるは、其の能く生を厚くし用を利する人に謂ふに非ず。厚生利用なる者の必ず賴る所なり。

現代語訳

礼の一字はまったく空文です。それでいて国の治乱、家の存亡、人の死生、事の成敗は、これによらないものがありません。だから君子が礼を重んじるのは、それが生を厚くし用を利する人だからではなく、生を厚くし用を利する者が必ず頼るところだからです。

解説

礼が空文であることを、まず認めます。それ自体が何かを生むわけではありません。しかし治乱も存亡も死生も成敗も、これによらないものがない。そして区別が置かれます。礼は生を厚くし用を利するものではなく、それを行う者が頼るものだ、と。直接の効用ではなく、土台としての働きです。前に出てきた、名と器に毛ほどの益も無いという段と同じ構えになっています。

この章句が説くこと

空文土台間接依拠

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