呂氏春秋 / 當賞①
民無道知天,民以四時寒暑日月星辰之行知天。四時寒暑日月星辰之行當,則諸生有血氣之類皆為得其處而安其產。人臣亦無道知主,人臣以賞罰爵祿之所加知主。主之賞罰爵祿之所加者宜,則親疏遠近賢不肖皆盡其力而以為用矣。
新字:民無道知天,民以四時寒暑日月星辰之行知天。四時寒暑日月星辰之行当,則諸生有血気之類皆為得其処而安其産。人臣亦無道知主,人臣以賞罰爵禄之所加知主。主之賞罰爵禄之所加者宜,則親疏遠近賢不肖皆尽其力而以為用矣。
書き下し
民は道無くして天を知る。民は四時寒暑日月星辰の行を以て天を知る。四時寒暑日月星辰の行當たれば、則ち諸生の血氣有るの類、皆為に其の處を得て其の產に安んず。人臣も亦た道無くして主を知る。人臣は賞罰爵祿の加わる所を以て主を知る。主の賞罰爵祿の加わる所の者宜しければ、則ち親疏遠近賢不肖、皆其の力を盡くして、以て用を為す。
現代語訳
民は直接には天を知るすべがない。民は四季・寒暑・日月・星辰の運行によって天を知る。四季や天体の運行が正しく整えば、血気ある生き物はみなその居場所を得て、その生育に安んじる。臣下もまた直接には主君を知るすべがない。臣下は賞罰・爵位・俸禄の与えられ方によって主君を知る。主君の賞罰・爵禄の与え方が適切であれば、親疎・遠近・賢不肖を問わず、皆が力を尽くして役に立とうとする。
解説
この段は、民が天を直接ではなく季節や天体の運行を通して知るように、臣下も主君を賞罰・爵禄の与えられ方を通して知る、という対比を立てます。天の運行が正しければ万物が安んじるように、主君の賞罰が適切であれば、あらゆる立場の人が力を尽くすと説きます。背景には、賞罰を統治の可視的な信号ととらえる思想があります。現代の組織でも、評価や処遇の基準は、メンバーがリーダーの意図や公正さを読み取る最大の手がかりです。何を評価し何を罰するかが一貫して適切であれば、人は安心して力を発揮します。処遇こそがメッセージだと教えてくれます。
この章句が説くこと
賞罰爵禄四時天の運行公正統治
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