呻吟語 / 外篇・治道・寬簡の二字
寬簡二字,為政之大體。不寬則威令嚴,不簡則科條密。以至嚴之法繩至密之事,是謂煩苛暴虐之政也。困己憂民,明王戒之。
新字:寛簡二字,為政之大体。不寛則威令厳,不簡則科条密。以至厳之法縄至密之事,是謂煩苛暴虐之政也。困己憂民,明王戒之。
書き下し
寬簡の二字は、政を為すの大體なり。寬ならざれば則ち威令嚴に、簡ならざれば則ち科條密なり。至嚴の法を以て至密の事を繩するは、是れを煩苛暴虐の政と謂ふなり。己を困しめ民を憂へしむるは、明王之を戒む。
現代語訳
寛と簡の二字は、政治を行う大きな筋です。寛やかでなければ威と令が厳しくなり、簡素でなければ条文が細かくなります。きわめて厳しい法できわめて細かい事を縛るのは、煩わしく苛酷で暴虐な政治と言います。自分を苦しめ民を憂えさせることを、明君は戒めます。
解説
寛と簡の二字を、政治の大きな筋として掲げます。寛やかでなければ命令が厳しくなり、簡素でなければ条文が増える。二つが欠けると、厳しい法で細かい事を縛る状態になります。それが暴虐だとされます。そして最後に、自分も苦しむと添えられているのが要点です。厳しく細かい政治は、運用する側にも重い負担を課します。運用の重さまで数えた、実際的な一段です。
この章句が説くこと
寛簡厳密暴虐自他負担
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