呻吟語 / 外篇・治道・鶴軒に乘る
天下存亡繫人君喜好,鶴乘軒,何損於民?且足以亡國,而況大於此者乎?
新字:天下存亡繋人君喜好,鶴乗軒,何損於民?且足以亡国,而況大於此者乎?
書き下し
天下の存亡は人君の喜好に繫かる。鶴軒に乘るも、何ぞ民に損せんや。且つ以て國を亡ぼすに足る。而るに況んや此れより大なる者をや。
現代語訳
天下の存亡は君主の好みに懸かっています。鶴が車に乗ったところで、民に何の損があるでしょうか。それでも国を亡ぼすに足ります。まして、これより大きなものならなおさらです。
解説
衛の懿公が鶴を愛して車に乗せ、国を亡ぼした故事を引きます。鶴が車に乗っても民に実害はありません。それでも国が亡びた。実害の有無ではなく、上の好みがどこに向いているかが見られているからです。そして、これより大きなものならなおさらだと結ばれます。小さな逸話を使って、上の趣味の重さを示した一段になっています。
この章句が説くこと
喜好鶴実害示す亡国
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