呻吟語 / 外篇・治道・截然毅然たる者に非ずんば救ふ能はず
天下之事倡於作俑而濫於助波鼓焰之徒,至於大壞極敝,非截然毅然者不能救。於是而猶曰循舊安常,無更張以拂人意,不知其可也。
新字:天下之事倡於作俑而濫於助波鼓焰之徒,至於大壊極敝,非截然毅然者不能救。於是而猶曰循旧安常,無更張以払人意,不知其可也。
書き下し
天下の事は作俑に倡へて、波を助け焰を鼓するの徒に濫る。大いに壞れ極めて敝するに至りては、截然毅然たる者に非ずんば救ふ能はず。是に於て猶ほ舊に循ひ常に安んじ、更張して以て人意に拂ふ無かれと曰ふは、其の可なるを知らざるなり。
現代語訳
天下の事は、最初に悪例を作る者が唱え、波を助け炎を煽る連中によって広がります。大きく壊れきわめて傷むところまで至れば、きっぱりと毅然とした者でなければ救えません。そこでなお、旧に従い常に安んじ、改め直して人の意に背くなと言うのは、それでよいと言えるのか分かりません。
解説
崩壊の過程を二段で示します。最初に悪例を作る者がいて、次にそれを煽る連中が広げる。そして極まった段階では、きっぱりした者でなければ救えません。ここで、旧に従えという意見が退けられます。前に出てきた、常は軽々しく変えるなという段と一見矛盾しますが、あちらは大きく壊れるまではという条件つきでした。段階が変われば処方も変わります。
この章句が説くこと
作俑煽る段階毅然条件
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