墨子 / 備城門
凡守圍城之法:厚以髙;壕也深以廣;樓撕揗守備繕利;薪食足以交三月以上;人衆以選;吏尺和;大臣有功勞于上者多;主信以義,萬民樂之無窮;不然,父母墳墓在焉;不然,山林草澤之饒足利;不然,地形之難攻而易守也;不然,則有深怨於敵而有大功於上;不然,則賞眀可信而罰嚴足畏也。
新字:凡守囲城之法:厚以高;壕也深以広;楼撕揗守備繕利;薪食足以交三月以上;人衆以選;吏尺和;大臣有功労于上者多;主信以義,万民楽之無窮;不然,父母墳墓在焉;不然,山林草沢之饒足利;不然,地形之難攻而易守也;不然,則有深怨於敵而有大功於上;不然,則賞明可信而罰厳足畏也。
書き下し
凡そ圍城を守るの法、厚くして以て髙く、壕や深くして以て廣く、樓撕・揗守の備え、繕い利し。薪食は以て三月以上に交うるに足り、人衆は以て選び、吏尺は和し、大臣の上に功勞有る者は多く、主は信にして義を以てし、萬民、之を樂しむこと窮まり無し。然らずんば、父母の墳墓、焉に在り。然らずんば、山林草澤の饒、利するに足る。然らずんば、地形の攻め難くして守り易きなり。然らずんば、則ち敵に深き怨み有りて上に大功有り。然らずんば、則ち賞、眀らかにして信ず可く、罰、嚴にして畏るるに足るなり。
現代語訳
およそ囲まれた城を守る法。城壁は厚く高く、堀は深く広く、櫓と守りの備えは修繕され行き届いている。薪と食糧は三か月以上もち、人は多く選ばれ、役人はよくまとまり、上に功労のある大臣が多く、君主は信があって義によって行い、万民がそれを喜んで尽きることがない。そうでなければ、父母の墓がそこにある。そうでなければ、山林や沼沢の豊かさが利をもたらす。そうでなければ、地形が攻めにくく守りやすい。そうでなければ、敵に深い恨みがあり、上に大きな功がある。そうでなければ、賞が明らかで信じられ、罰が厳しくて恐れるに足る。
解説
守れる城の条件を列挙した一段です。設備と食糧から始まって、人の結束、君主への信頼、先祖の墓、地形、敵への恨み、賞罰の確かさまで並ぶ。「不然」を繰り返して、どれか一つは要ると畳みかけます。物理的な守りより、人がそこに留まる理由のほうが数として多いのが目を引きます。
この章句が説くこと
条件結束信頼賞罰守城
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