呻吟語 / 外篇・治道・官の居る所を任と曰ふ
官之所居曰任,此意最可玩。不惟取責仕負之義,任者,任也。聽其便宜信任而責成也。若牽制束縛,非任矣。
新字:官之所居曰任,此意最可玩。不惟取責仕負之義,任者,任也。聴其便宜信任而責成也。若牽制束縛,非任矣。
書き下し
官の居る所を任と曰ふ。此の意最も玩ぶ可し。惟だ仕負を責むるの義を取るのみならず、任とは、任ずるなり。其の便宜に信任するを聽して成を責むるなり。若し牽制束縛せば、任に非ざるなり。
現代語訳
官のいるところを任と言います。この意味は最も味わうべきです。ただ仕える負担を求める意味を取るだけでなく、任とは任せることです。その場の判断に信じて任せ、成果を求めることです。もし引っ張り縛るなら、任ではありません。
解説
任という一字を、二通りに読み解きます。負担を担うという意味と、任せるという意味。後者が強調されます。任せるとは、その場の判断に委ねて成果だけを求めることです。だから引っ張り縛れば、それはもう任ではありません。前に出てきた、職務を分ければ成果を求める先ができるという段と組で、委任の中身を定義した一段になっています。
この章句が説くこと
任委任便宜責成束縛
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