呻吟語 / 外篇・治道・擇びて後に用ふ
古之官人也擇而後用,故其考課也常恕。何也?不以小過棄所擇也。今之官人也用而後擇,郤又以姑息行之,是無擇也,是容保奸回也。豈不渾厚?哀哉萬姓矣!
新字:古之官人也択而後用,故其考課也常恕。何也?不以小過棄所択也。今之官人也用而後択,郤又以姑息行之,是無択也,是容保奸回也。豈不渾厚?哀哉万姓矣!
書き下し
古の人を官するや擇びて後に用ふ。故に其の考課や常に恕なり。何ぞや。小過を以て擇ぶ所を棄てざればなり。今の人を官するや用ひて後に擇ぶ。郤つて又た姑息を以て之を行ふ。是れ擇ぶ無きなり。是れ奸回を容保するなり。豈に渾厚ならんや。哀しいかな萬姓よ。
現代語訳
昔の官の任じ方は、選んでから用いました。だからその考課はいつも寛やかでした。なぜか。小さな過ちで選んだ人を捨てないからです。今の官の任じ方は、用いてから選びます。そのうえその場しのぎで行います。これは選んでいないのと同じです。これは奸物を庇い保つことです。どうして情が厚いと言えるでしょうか。悲しいことです、万民よ。
解説
選抜と考課の順序を比べます。昔は選んでから用いるので、考課は寛やかでよい。小さな過ちで捨てないからです。今は用いてから選ぶので、考課が選抜を兼ねます。しかもその場しのぎで行われるので、結局選んでいないのと同じになります。寛やかさの意味が正反対になっているのが要点で、入口の選抜が無いと寛大さが庇護に変わります。
この章句が説くこと
選抜考課順序寛恕庇護
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