呻吟語 / 外篇・治道・長厚者は國を誤り民を蠹す
吏治不但錯枉去慵懦無用之人,清仕路之最急者。長厚者誤國蠹民,以相培植,奈何?
新字:吏治不但錯枉去慵懦無用之人,清仕路之最急者。長厚者誤国蠹民,以相培植,奈何?
書き下し
吏治は但だ枉を錯き慵懦無用の人を去るのみならず、仕路を清むるの最も急なる者なり。長厚なる者は國を誤り民を蠹し、以て相ひ培植す。奈何せん。
現代語訳
役人の治め方は、ただ曲がりを正して怠け弱く役に立たない人を除くだけでなく、仕官の道を清めることが最も急がれます。寛く厚い者が国を誤り民を食い荒らし、そうやって互いに培い植えます。どうしたものでしょうか。
解説
役に立たない人を除くことより、仕官の道を清めるほうが急だとします。入口を直さなければ、除いても同じ人が入ってくるからです。そして寛く厚い者が名指されます。悪人ではなく、角の立たない人が国を誤る。互いに培い植えるという表現が、その連鎖を示しています。前に出てきた、体面で庇い合うという段と同じ構図です。
この章句が説くこと
仕路入口長厚庇い合い連鎖
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