呻吟語 / 外篇・治道・名器服飾に一定の籌差有り
凡名器服飾,自天子而下庶人而上,各有一定籌差,不可僭逼。上太殺是謂逼下,下太隆是謂僭上,先王不裁抑以逼下也,而下不敢僭。
書き下し
凡そ名器服飾は、天子より下し庶人より上、各おの一定の籌差有り。僭逼す可からず。上太だ殺ぐは是れを下に逼ると謂ひ、下太だ隆きは是れを上を僭すと謂ふ。先王は裁抑して以て下に逼らざるなり。而して下も敢へて僭せず。
現代語訳
およそ名と器と服飾は、天子から下、庶人から上まで、それぞれ一定の差があります。越えて迫ってはいけません。上が削りすぎるのを下に迫ると言い、下が高すぎるのを上を越えると言います。先王は削り抑えて下に迫ることをしませんでした。そして下も越えようとしませんでした。
解説
身分の標識に、上下両方の逸脱を挙げます。下が越えるだけでなく、上が削りすぎることも問題だとされるのが特徴です。上が質素にしすぎれば、下との差が詰まって迫ることになります。そして先王は削らず、下も越えなかった。上が範を守れば下も守るという構図で、倹約が常に善ではないという、意外な角度の一段になっています。
この章句が説くこと
名器等差僭越逼下両側
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