呻吟語 / 外篇・治道・生ずる者一人、食らふ者九人
天下之財,生者一人,食者九人;興者四人,害者六人。其涷餒而死者,生之人十九,食之人十一。其飽暖而樂者,害之人十九,興之人十一。嗚呼!可為傷心矣。三代之政行,寧有此哉!
新字:天下之財,生者一人,食者九人;興者四人,害者六人。其涷餒而死者,生之人十九,食之人十一。其飽暖而楽者,害之人十九,興之人十一。嗚呼!可為傷心矣。三代之政行,寧有此哉!
書き下し
天下の財は、生ずる者一人、食らふ者九人。興す者四人、害する者六人。其の涷餒して死する者は、生ずるの人十に九、食らふの人十に一。其の飽暖にして樂しむ者は、害するの人十に九、興すの人十に一。嗚呼、傷心す可し。三代の政行はれなば、寧ぞ此れ有らんや。
現代語訳
天下の財は、生み出す者が一人で、食う者が九人です。起こす者が四人で、損なう者が六人です。凍え飢えて死ぬ者は、生み出す人が十のうち九、食う人が十のうち一です。飽き足り暖かく楽しむ者は、損なう人が十のうち九、起こす人が十のうち一です。ああ、心を痛めるべきです。三代の政治が行われていれば、こんなことがあるでしょうか。
解説
財の生産と消費の比率を、数字で示します。生み出すのは一人で食うのは九人。そして結果が反転しています。凍え死ぬのは生み出す人ばかり、暖かく楽しむのは損なう人ばかり。貢献と取り分が逆になっているという告発です。数字で語られるぶん、感情ではなく構造の問題として提示されており、最後に三代の政ならこうはならないと結ばれます。
この章句が説くこと
財生産消費逆転数字
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