呻吟語 / 外篇・治道・歷山の耕夫に甚の威靈氣焰か有らん
德立行成了,論不得人之貴賤、家之富貧、分之尊卑。自然上下格心,大小象指,歷山耕夫有甚威靈氣焰?故曰:「默而成之,不言而信,存乎德行。」
新字:徳立行成了,論不得人之貴賤、家之富貧、分之尊卑。自然上下格心,大小象指,歴山耕夫有甚威霊気焰?故曰:「黙而成之,不言而信,存乎徳行。」
書き下し
德立ち行成らば、人の貴賤、家の富貧、分の尊卑を論じ得ず。自然に上下心を格し、大小指に象る。歷山の耕夫に甚の威靈氣焰か有らん。故に曰く、「默して之を成し、言はずして信ずるは、德行に存す」と。
現代語訳
徳が立ち行いが成れば、人の貴賤も家の貧富も分の尊卑も問題になりません。自然に上下の心が正され、大小が指図に従います。歴山で耕していた頃の舜に、どんな威光や勢いがあったでしょうか。だから言う、黙って成し遂げ、言わなくても信じられるのは、徳と行いによると。
解説
徳と行いが立てば、身分や貧富が関係なくなると言います。根拠は舜の若い頃で、歴山で耕していたときに威光も勢いもありませんでした。それでも人が従ったわけです。つまり従わせる力が、地位から来ていない例になります。そして易の一句が引かれ、黙って成し言わずに信じられる根拠が徳行に置かれます。地位から来ない力の例として、最も古い証拠になります。
この章句が説くこと
徳行身分舜歴山黙成
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