呻吟語 / 外篇・治道・奉行の人無し
銛矛而秫挺,金矢而稭弓,雖有周官之法度,而無奉行之人,典訓謨訓何益哉?
書き下し
矛を銛にして秫もて挺し、矢を金にして稭もて弓とせば、周官の法度有りと雖も、而して奉行の人無くんば、典訓謨訓何ぞ益あらんや。
現代語訳
矛を鋭くしてもきび殻の柄を付け、矢に金の鏃を付けてもわら殻の弓を使えば、周の官制の法度があっても、それを奉じ行う人がいなければ、典も訓も謨も何の益があるでしょうか。
解説
鋭い矛にきび殻の柄、金の鏃にわらの弓。部品だけ立派でも、支えるものが弱ければ役に立ちません。制度と人の関係を、この組み合わせの不釣り合いで示します。そして周の官制も、行う人がいなければ益が無いと結ばれます。前に出てきた、治める人がいなければ良法も民に災いするという段と同じ主張で、比喩が具体的なぶん印象に残ります。
この章句が説くこと
矛柄不釣り合い奉行人
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