呻吟語 / 外篇・治道・只だ一個の快性
居官只一個快性,自家討了多少便宜,左右省了多少負累,百姓省了多少勞費。
新字:居官只一個快性,自家討了多少便宜,左右省了多少負累,百姓省了多少労費。
書き下し
官に居りて只だ一個の快性ならば、自家多少の便宜を討り了へ、左右多少の負累を省き了へ、百姓多少の勞費を省き了へん。
現代語訳
官に居てただ一つ性質がさっぱりしていれば、自分がどれほど得をし、周りがどれほど負担を減らし、民がどれほど労力と費えを減らせることか。
解説
さっぱりした性質を、政治の徳として挙げます。効果が三方向に数えられているのが面白いところで、自分と周りと民の全部が楽になります。決めきらず引き延ばせば、そのぶん周りが待ち、民が費やす。前に出てきた、急がず左右を見よという段と一見反しますが、あちらは着手の判断、こちらは決めた後の運びの話です。性質の一つが、そのまま政治の徳になる例です。
この章句が説くこと
快性決断三方向負担引き延ばし
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