呻吟語 / 外篇・治道・吏胥輿皂も盡く能く人を笑ふ
為人上者,最怕器局小,見識俗。吏胥輿皂盡能笑人,不可不慎也。
新字:為人上者,最怕器局小,見識俗。吏胥輿皂尽能笑人,不可不慎也。
書き下し
人上たる者は、最も器局の小さきと、見識の俗なるとを怕る。吏胥輿皂も盡く能く人を笑ふ。慎まざる可からざるなり。
現代語訳
人の上に立つ者が最も恐れるべきは、器量が小さいことと見識が俗であることです。下役や駕籠かきでさえ、みな人を笑えます。慎まないわけにいきません。
解説
上に立つ者の二つの弱点を挙げます。器量の小ささと見識の俗さ。どちらも能力の不足ではなく、質の問題です。そして誰に見られるかが示されます。下役や駕籠かきでさえ笑える、と。地位が低くても見る目はあるということで、地位で隠せない種類の欠点だと分かります。だからこそ慎めと結ばれています。能力よりも質が見られるという、厳しい指摘になっています。
この章句が説くこと
器局見識俗見られる慎む
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