呻吟語 / 外篇・治道・無私にして識有り
或問:「宰相之道?」曰:「無私有識。」「塚宰之道?」曰:「知人善任使。」
書き下し
或るひと問ふ、「宰相の道は」と。曰く、「無私にして識有り」と。「塚宰の道は」と。曰く、「人を知り善く任使す」と。
現代語訳
ある人が問いました。宰相の道は。答えて言う。私が無く識見があること。人事の長の道は。答えて言う。人を知り上手に任せ使うこと。
解説
二つの要職の要件を、一句ずつで答えます。宰相は私が無く識見があること。私が無いだけでは足りず、識見が要ります。人事の長は、人を知ることと上手に任せ使うこと。見抜くことと使うことの二つです。どちらも二要素で構成されているのが特徴で、片方だけでは務まらないという構えが共通しています。問答の形が、要件を覚えやすくしています。
この章句が説くこと
宰相塚宰無私識見知人
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