呻吟語 / 外篇・治道・生殺の外に示す無し
其次示賞罰。其次示生殺,使不敢不然。蓋至於示生殺,而御世之術窮矣。叔季之世,自生殺之外無示也。悲夫!
書き下し
其の次は賞罰を示す。其の次は生殺を示して、敢へて然らざらざらしむ。蓋し生殺を示すに至りて、世を御するの術窮まれり。叔季の世は、生殺より外に示す無きなり。悲しいかな。
現代語訳
その次は賞罰を示します。その次は生殺を示して、そうしないわけにいかなくさせます。生殺を示すところまで来れば、世を御する術は窮まります。末の世は、生殺のほかに示すものがありません。悲しいことです。
解説
前の段に続けて、最下の二段を示します。賞罰、そして生殺。生殺まで来れば術は窮まったと言われます。もう次がないからです。そして末の世には、それしか残っていないと嘆かれます。八段の順位が示されたことで、今どの段を使っているかが自分で測れる形になっています。上の段を使えない者が、下の段に頼るという構図です。
この章句が説くこと
賞罰生殺窮まる末世八段
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呂氏春秋・義賞①春氣至れば則ち草木産し、秋氣至れば則ち草木落つ。産と落とは之を使しむるもの或り。自ら然るに非ざるなり。故に之を使しむる者至れば、物為さざる無く、之を使しむる者至らざれば、物為す可き無し。古の人、其の使しむる所以を審らかにす、故に物、用を為さざる莫し。賞罰の柄、此れ上の使しむる所以なり。其の以て加うる所の者義なれば、則ち忠信親愛の道彰わる。久しく彰われて愈々長ずれば、民の之に安んずること性の若し。此を之れ教成ると謂う。教成れば則ち厚賞嚴威有りと雖も禁ずること能わず。故に善く教うる者は、義以て賞罰して教成り、教成りて賞罰禁ずること能わず。賞罰を用いて當らざるも亦た然り。姦偽賊亂貪戻の道興り、久しく興りて息まざれば、民の之を讎うること性の若し。戎夷胡貉巴越の民は、是を以て厚賞嚴罰有りと雖も、禁ずること能わず。郢人の兩版を以て垣するや、吳起之を變じて惡まる。賞罰易れば民安くんぞ樂しまん。氐羌の民、其れ虜となるや、其の係纍を憂えずして、其の死するに焚かれざるを憂うるは、皆、邪に成り、且つ成りて民を賊う。故に賞罰の加うる所は、慎まざる可からず。
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『韓非子』難一第三十六今赫は僅かに驕侮せざるのみにして、襄子之を賞するは、是れ賞を失うなり。明主は賞を無功に加えず、罰を無罪に加えず。
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孫子・行軍篇數々賞する者は、窘するなり。數々罰する者は、困しむなり。先に暴にして後に其の衆を畏るる者は、不精の至りなり。来たりて委謝する者は、休息を欲するなり。
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