呻吟語 / 外篇・治道・名を顧みて義を思ふ
三公示無私也,三孤示無黨也,九卿示無隱也。事無私曲,心無閉藏,何隱之有?嗚呼!顧名思義,官職亦少稱矣。
新字:三公示無私也,三孤示無党也,九卿示無隠也。事無私曲,心無閉蔵,何隠之有?嗚呼!顧名思義,官職亦少称矣。
書き下し
三公は無私を示すなり。三孤は無黨を示すなり。九卿は無隱を示すなり。事に私曲無く、心に閉藏無くんば、何の隱れか之れ有らん。嗚呼、名を顧みて義を思はば、官職も亦た少しく稱はん。
現代語訳
三公は私が無いことを示します。三孤は党が無いことを示します。九卿は隠すことが無いことを示します。事に私の曲がりが無く、心に閉ざし隠すものが無ければ、何の隠れごとがあるでしょうか。ああ、名を顧みて義を思えば、官職も少しはふさわしくなるでしょう。
解説
高位の官名を、それぞれの戒めとして読み解きます。三公は無私、三孤は無党、九卿は無隠。公という字、孤という字、卿という字から意味を引き出しているわけです。名前がすでに務めを定めているという見方で、前に出てきた、朝廷は赤子として託し民は父母と呼ぶという段と同じ発想です。名を顧みて義を思えという結びが、治道篇の官職論を締めています。
この章句が説くこと
三公三孤九卿名戒め
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