呻吟語 / 外篇・治道・默變して明變せず
心,一覬覦則大家引領垂涎,生怨起紛,數年不能定。是以聖人只是慎常,不敢輕變;必不得已,默變,不敢明變;公變,不敢私變;分變,不敢圂變。
新字:心,一覬覦則大家引領垂涎,生怨起紛,数年不能定。是以聖人只是慎常,不敢軽変;必不得已,黙変,不敢明変;公変,不敢私変;分変,不敢圂変。
書き下し
心一たび覬覦すれば則ち大家引領垂涎し、怨を生じ紛を起こして、數年定むる能はず。是を以て聖人は只だ是れ常を慎み、敢へて輕く變ぜず。必ず已むを得ずんば、默かに變じて、敢へて明らかに變ぜず。公に變じて、敢へて私に變ぜず。分かちて變じて、敢へて圂じて變ぜず。
現代語訳
心がひとたび覬覦すれば、みなが首を伸ばし涎を垂らし、怨みを生み紛れを起こして、数年たっても定まりません。だから聖人はただ常を慎み、軽々しく変えません。どうしてもやむを得なければ、黙って変えて、はっきりとは変えません。公に変えて、私に変えません。分けて変えて、まぜこぜには変えません。
解説
変えざるを得ないときの作法を、三つ示します。黙って変えて表立てない、公として変えて私情で変えない、一つずつ分けて変えてまとめて変えない。どれも覬覦を防ぐための手つきです。一度に大きく変えれば、みなが首を伸ばして取り合いになります。変えるか変えないかだけでなく、変え方に技術があると示した実務的な一段になっています。
この章句が説くこと
黙変公変分変覬覦作法
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