呻吟語 / 外篇・治道・戎を御するの道
御戎之道,上焉者德化心孚,其次講信修睦,其次遠駕長驅,其次堅壁清野,其次陰符智運,其次接刃交鋒,其下叩關開市,又其下納幣和親。
新字:御戎之道,上焉者徳化心孚,其次講信修睦,其次遠駕長駆,其次堅壁清野,其次陰符智運,其次接刃交鋒,其下叩関開市,又其下納幣和親。
書き下し
戎を御するの道は、上なる者は德化心孚、其の次は信を講じ睦を修む、其の次は遠く駕し長く驅る、其の次は壁を堅くし野を清くす、其の次は陰符智運、其の次は刃を接し鋒を交ふ、其の下は關を叩き市を開く、又た其の下は幣を納れ和親す。
現代語訳
異民族に対する道は、上は徳で化し心が信じ合うこと、その次は信を講じ睦まじさを修めること、その次は遠く駆けて長く追うこと、その次は壁を堅くし野を清めること、その次は密かな符と智恵の運用、その次は刃を交え鋒を合わせること、その下は関を開いて市を立てること、さらにその下は幣を納めて和親することです。
解説
対外政策を八段に順位づけます。上二つが徳と信による関係、次の四つが軍事の手段、下二つが経済的な譲歩です。注目すべきは、正面から戦うことが下から三番目に置かれている点で、戦闘は良い手ではないが最下ではありません。最下の二つは市を開くことと幣を納めること。買って収める策が最も低く置かれており、順位の思想がはっきり表れた一段です。
この章句が説くこと
御戎八段徳化軍事譲歩
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