呻吟語 / 外篇・治道・善く之を救ひ、善く之を馭す
事有知其當變而不得不因者,善救之而已矣;人有知其當退而不得不用者,善馭之而已矣。
新字:事有知其当変而不得不因者,善救之而已矣;人有知其当退而不得不用者,善馭之而已矣。
書き下し
事に其の當に變ずべきを知りて因らざるを得ざる者有らば、善く之を救ふのみ。人に其の當に退くべきを知りて用ひざるを得ざる者有らば、善く之を馭すのみ。
現代語訳
事に、変えるべきだと知りながら従わざるを得ないものがあれば、上手に救うだけです。人に、退けるべきだと知りながら用いざるを得ない者がいれば、上手に御するだけです。
解説
理想どおりにできない場面を、二つ挙げます。変えるべき事が変えられず、退けるべき人が退けられない。どちらも実務では珍しくありません。そのときの答えが、救うことと御することです。諦めるのでも、無理に押し通すのでもない。制約を認めたうえで最善を取る構えで、前に出てきた、繕うときは無事なところを切らないという段と同じ実務感覚が流れています。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
制約救う御する次善実務
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