呻吟語 / 外篇・品藻・惟だ建業立功のみ是れ難事
儒者惟有建業立功是難事。自古儒者成名多是講學著述,人未嘗盡試所言,恐試後縱不邪氣,其實成個事功不狼狽以敗者定不多人。
新字:儒者惟有建業立功是難事。自古儒者成名多是講学著述,人未嘗尽試所言,恐試後縦不邪気,其実成個事功不狼狽以敗者定不多人。
書き下し
儒者は惟だ建業立功のみ是れ難事なり。自古の儒者の名を成すは多く是れ講學著述にして、人未だ嘗て盡くは言ふ所を試みず。恐らくは試みて後縱ひ邪氣ならざるも、其の實個の事功を成して狼狽して敗れざる者は定めて多く人ならず。
現代語訳
儒者にとって、ただ業を立て功を立てることだけが難しい事です。昔から儒者が名を成したのは多くは学を講じ書を著すことで、人はその言うところをすべて試したわけではありません。おそらく試した後、たとえ邪な気が無かったとしても、実際に事功を成して慌てふためいて失敗しない者は、決して多くないでしょう。
解説
儒者の名声が、実務で試されていないことを突きます。学を講じ書を著すだけなら、失敗が露見しません。そして試されれば多くが失敗するだろうと予想します。前に出てきた、火にかけられなければ誰でも純金に見えるという段と同じ主張が、儒者という職に絞って述べられた一段です。試されていない名声を、静かに割り引く一段になっています。
この章句が説くこと
儒者実務試練名声露見
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