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茶の本 / 第四章 茶室・移動できる建築

こういう習慣を守るのは組み立て取りこわしの容易なわが国の木造建築のようなある建築様式においてのみ可能であった。煉瓦石材を用いるやや永続的な様式は移動できないようにしたであろう、奈良朝以後シナの鞏固な重々しい木造建築を採用するに及んで実際移動不可能になったように。

書き下し

こういう習慣を守るのは、組み立て取りこわしの容易なわが国の木造建築のようなある建築様式においてのみ可能であった。煉瓦石材を用いるやや永続的な様式は移動できないようにしたであろう、奈良朝以後シナの鞏固な重々しい木造建築を採用するに及んで、実際移動不可能になったように。

現代語訳

こういう習慣を守ることは、組み立てと取り壊しが容易なわが国の木造建築のような、ある建築様式においてのみ可能でした。煉瓦や石材を用いるやや永続的な様式は、移動できないようにしたでしょう。奈良朝以後、中国の堅固で重々しい木造建築を採用するに及んで、実際に移動不可能になったように。

解説

思想は技術に支えられている、という指摘です。家を建て替え続ける習慣は、組み立てと取り壊しが容易な木造だから可能だった。石を使えばその習慣は消える。そして実際、奈良時代に中国の重々しい木造を取り入れたとき、移動できなくなった。理念が材料に縛られるという冷静な観察で、自国の伝統が技術の産物でもあることを認めています。

この章句が説くこと

技術様式移動制約木造

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