呻吟語 / 外篇・治道・威を用ひ法を行ふに三豫有り
用威行法,宜有三豫,一曰上下情通,二曰惠愛素孚,三曰公道難容。如此則雖死而人無怨矣。
新字:用威行法,宜有三予,一曰上下情通,二曰恵愛素孚,三曰公道難容。如此則雖死而人無怨矣。
書き下し
威を用ひ法を行ふには、宜しく三豫有るべし。一に曰く上下の情通ず、二に曰く惠愛素より孚す、三に曰く公道容れ難し。此の如くんば則ち死すと雖も人怨む無し。
現代語訳
威を用い法を行うには、三つの前もっての備えがあるべきです。一つは上下の情が通じていること、二つは恵みと愛が日頃から信じられていること、三つは公の道として許しがたいこと。そうであれば、たとえ死罪になっても人は怨みません。
解説
厳しい処分を怨まれずに行う条件を、三つ挙げます。日頃の情の通い、日頃の恵みの信頼、そして事柄そのものが公として許しがたいこと。前の二つが平時の蓄積で、処分の場では作れません。つまり厳しさを使えるかどうかは、その前に決まっているということです。前に出てきた、重典を用いる三場面という段と組にして読むと、いつ使うかと使える条件の両方が揃います。
この章句が説くこと
三予情通恵愛公道蓄積
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