呻吟語 / 外篇・治道・一人憂ふれば則ち天下樂しむ
一人憂,則天下樂;一人樂,則天下憂。
新字:一人憂,則天下楽;一人楽,則天下憂。
書き下し
一人憂ふれば、則ち天下樂しむ。一人樂しめば、則ち天下憂ふ。
現代語訳
一人が憂えれば天下が楽しみ、一人が楽しめば天下が憂えます。
解説
上に立つ一人と天下の関係を、憂いと楽しみの交換として示します。総量が決まっているかのような書き方で、どちらかが取ればどちらかが失う構図です。だから上の安楽は、そのまま下の憂いになります。前に出てきた、職分が果たされるまで安らげないという段と同じ主張が、最も短い形で示された一段になっています。上の楽しみを、そのまま下の負担として数えています。
この章句が説くこと
憂楽交換上下総量職分
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