呻吟語 / 外篇・治道・勢ひに時として窮まる有り
勢有時而窮。始皇以天下全盛之威力,受制於匹夫,何者?
書き下し
勢ひに時として窮まる有り。始皇は天下全盛の威力を以て、制を匹夫に受く。何者ぞ。
現代語訳
勢いには窮まるときがあります。始皇帝は天下全盛の威力をもって、一人の平民に制せられました。なぜでしょうか。
解説
勢いが窮まる例として、始皇帝を挙げます。天下全盛の威力を持ちながら、一人の平民に制せられた。陳勝呉広の蜂起を指しています。問いだけを置いて次の段に答えを譲る構成で、勢いの大きさと崩れ方の落差が強調されます。前に出てきた、満ちた勢いは自分から減らせという段と対になっており、こちらは減らさなかった場合の帰結です。
この章句が説くこと
勢始皇匹夫落差帰結