孫子 / 勢篇
故善戰者之勢,如轉圓石於千仞之山者,勢也。
新字:故善戦者之勢,如転円石於千仞之山者,勢也。
書き下し
故に戦いを善くする者の勢は、円石を千仞の山より転ずるが如きなり。
現代語訳
戦上手の勢いは、丸石を高山から転がすようなものだ。
解説
勢篇の締めくくりで、「勢い」の凄まじさを鮮やかに描いた名句です。戦い上手が作り出す勢いは、丸い石を千仞(きわめて高い)の山の上から転がり落とすようなものだ、と孫子は言います。ひとたび転がり始めた巨石は、止めようがなく、圧倒的な破壊力を生む。それは石そのものの力ではなく、高い位置と地形(=勢い)が生み出すエネルギーです。仕事でも、良い勢いに乗った組織は、個々の力の総和をはるかに超える成果を生みます。逆に、勢いのない状態でいくら個人が頑張っても、坂を上る石のように重い。だからこそ、まず「高い位置」=有利な態勢を築き、勢いがつく状況を作る。力任せではなく、勢いという位置エネルギーで勝つ。孫子の戦略観を象徴する一節です。
この章句が説くこと
勢比喩加速
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