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呻吟語 / 外篇・治道・太平に奇事無し

至人無奇名,太平無奇事,何者?皇錫此極,民歸此極,道德一,風俗同,何奇之有?

新字:至人無奇名,太平無奇事,何者?皇錫此極,民帰此極,道徳一,風俗同,何奇之有?

書き下し

至人に奇名無く、太平に奇事無し。何者ぞ。皇此の極を錫へ、民此の極に歸し、道德一にして風俗同じ。何の奇か之れ有らん。

現代語訳

至った人に奇抜な名は無く、太平の世に奇抜な事はありません。なぜか。王がこの極を与え、民がこの極に帰し、道徳が一つになり風俗が同じだからです。何の奇抜さがあるでしょうか。

解説

至人と太平に、共通して奇が無いとします。理由は一つで、基準が一つに定まっているからです。基準が一つなら、突出も逸脱も起こりません。逆に言えば、奇抜な人物や事件が目立つ世は、基準が揺れている世だということになります。前に出てきた、雅な士に奇名は無いという段と同じ主題が、ここでは世の側から述べられた一段です。
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この章句が説くこと

奇太平基準一逸脱

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