呻吟語 / 外篇・治道・利を興すに太だ急なる無かれ
興利無太急,要左視右盼;革弊無太驟,要長慮卻顧。
新字:興利無太急,要左視右盼;革弊無太驟,要長慮却顧。
書き下し
利を興すに太だ急なる無かれ、左視右盼するを要す。弊を革むるに太だ驟なる無かれ、長慮卻顧するを要す。
現代語訳
利を起こすのに急ぎすぎてはいけません。左を見て右を見る必要があります。弊害を改めるのに慌ててはいけません。長く考え振り返る必要があります。
解説
改革の二つの面に、それぞれ別の注意を与えます。利を起こすときは左右を見よ。今見えている利の横に、見落としがあるかもしれないからです。弊害を改めるときは長く考えて振り返れ。急に取り去ると、支えていたものまで壊れるからです。横と時間、注意の向きが分けられているのが要点になっています。どちらも改革を止めているのではなく、速度を落とせと言っています。実務の順序を押さえた一段です。
この章句が説くこと
改革速度左右長慮見落とし
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