呻吟語 / 外篇・治道・積年の書手を用ふるも得たり
當事者若執一簿書,尋故事,循弊規,只用積年書手也得。
新字:当事者若執一簿書,尋故事,循弊規,只用積年書手也得。
書き下し
當事者若し一簿書を執り、故事を尋ね、弊規に循はば、只だ積年の書手を用ふるも也た得たり。
現代語訳
事に当たる者が、もし帳簿を手に取り、前例を尋ね、悪しき決まりに従うだけなら、長年勤めた書記を使うだけでも足ります。
解説
前例に従うだけの担当者なら、書記で足りると言い切ります。帳簿を見て、前例を尋ね、決まりに従う。この三つは記録があれば誰でもできる作業です。つまり判断が入っていません。責任ある地位にいる意味は、前例が無い場面や、決まりが害になっている場面で判断することにあります。前に出てきた、やるべきでない者がやると害になるという段の裏返しで、こちらは地位に人が要る理由を示しています。短いですが、辛辣な一段です。
この章句が説くこと
前例帳簿判断書記地位
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