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墨子 / 大取

斷指與斷腕,利於天下相若,無擇也。死生利若,一無擇也。殺一人以存天下,非殺一人以利天下也。殺已以存天下,是殺巳以利天下。於事為之中而權輕重,之謂求。求為之非也。害之中取小,求為義,非為義也。為暴人語天之為是也?而性為暴人,歌天之為非也。諸陳執既有所為,而我為之,陳執執之所為,因吾所為也。若陳執未有所為,而我為之陳執,陳執因吾所為也。暴人為我,為天之以人,非為是也。而性不可正而正之。

新字:断指与断腕,利於天下相若,無択也。死生利若,一無択也。殺一人以存天下,非殺一人以利天下也。殺已以存天下,是殺巳以利天下。於事為之中而権軽重,之謂求。求為之非也。害之中取小,求為義,非為義也。為暴人語天之為是也?而性為暴人,歌天之為非也。諸陳執既有所為,而我為之,陳執執之所為,因吾所為也。若陳執未有所為,而我為之陳執,陳執因吾所為也。暴人為我,為天之以人,非為是也。而性不可正而正之。

書き下し

指を斷つと腕を斷つと、天下を利すること相い若くんば、擇ぶこと無きなり。死と生と利、若ければ、一に擇ぶこと無し。一人を殺して以て天下を存するは、一人を殺して以て天下を利するに非ざるなり。已を殺して以て天下を存するは、是れ己を殺して以て天下を利するなり。事為の中に於いて輕重を權る、之を求と謂う。求は之を為すも非なり。害の中に小を取り、義を為さんことを求むるは、義を為すに非ざるなり。暴人の為に天の是を為すを語らんや。而して性、暴人の為にせば、天の非を為すを歌うなり。諸そ陳執、既に為す所有りて、我れ之を為さば、陳執の執る所の為す所は、吾が為す所に因るなり。若し陳執、未だ為す所有らずして、我れ之を陳執に為さば、陳執は吾が為す所に因るなり。暴人、我が為に、天の人を以てするを為すは、是を為すに非ざるなり。而して性、正す可からずして之を正す。

現代語訳

指を断つのと腕を断つのとで、天下を利する度合いが同じなら、選ぶところはない。死と生の利が同じなら、やはり選ぶところはない。一人を殺して天下を存続させるのは、一人を殺して天下を利することではない。自分を殺して天下を存続させるなら、それは自分を殺して天下を利することである。事の中で軽重を量ること、これを求という。求はそれを行っても正しくない。害の中で小さいほうを取って義を行おうとするのは、義を行うことではない。乱暴な者のために、天が是とすることを語ろうか。もし性として乱暴な者のためにするなら、天が非とすることを歌うことになる。すでに定まった主張があって私がそれを行えば、その主張が行うところは私の行いによる。まだ定まった主張がなくて私がそれを作るなら、その主張は私の行いによる。乱暴な者が私のために、天が人に及ぼすことを行うのは、是を行うことではない。正すことができないのに、それを正そうとする。

解説

「殺一人以存天下、非殺一人以利天下也」——一人を殺して天下を存続させるのは、一人を殺して天下を利することではない。存続させることと利することを厳しく分けます。それに続けて、自分を犠牲にして天下を存続させる場合だけは天下を利することになると言う。他人の犠牲は正当化せず、自分の犠牲だけを認める。墨家の厳しさがはっきり出た一段です。

この章句が説くこと

犠牲区別責任選択

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