呂氏春秋 / 季夏③
是月也,令四監大夫合百縣之秩芻,以養犧牲。令民無不咸出其力,以供皇天上帝、名山大川、四方之神,以祀宗廟社稷之靈,〔以〕為民祈福。
新字:是月也,令四監大夫合百県之秩芻,以養犠牲。令民無不咸出其力,以供皇天上帝、名山大川、四方之神,以祀宗廟社稷之霊,〔以〕為民祈福。
書き下し
是の月や、四監大夫をして百縣の秩芻を合わせ、以て犧牲を養わしむ。民をして咸其の力を出ださせること無からしめ、以て皇天上帝・名山大川・四方の神に供し、以て宗廟社稷の靈を祀り、民の為に福を祈る。
現代語訳
この月には、四監の大夫に命じて諸県が平時に納める牧草を集めさせ、それで生贄の家畜を養わせる。民には皆その力を出させ、皇天上帝・名山大川・四方の神に供え、宗廟社稷の霊を祀り、民のために福を祈る。
解説
この段は、季夏に行う国家的な祭祀の準備を述べています。地方の官が牧草を集めて犠牲の家畜を養い、民が力を合わせて天帝・山川・四方の神々や祖先を祀り、民全体の幸福を祈願します。古代の政治において、祭祀は単なる宗教行為ではなく、天地自然と人間社会の調和を確認し、共同体の結束を高める公的な営みでした。位の高い神から祖先まで体系立てて祀る点に、秩序を重んじる世界観が表れています。皆が力を出し合って共同体全体の幸いを祈るという発想は、公共への貢献や組織の一体感づくりを考える現代にも通じます。
この章句が説くこと
四監大夫犠牲宗廟社稷皇天上帝祭祀祈福
関連する章句
-
呂氏春秋・仲秋③是の月や、乃ち宰祝に命じて、犠牲を巡行せしむ。全具を視、芻豢を案じ、肥瘠を瞻、物色を察し、必ず比類して、大小を量り、長短を視、皆度に中らしむ。五つの者備に當りて、上帝其れ享く。天子乃ち儺して、佐疾を禦ぎ、以て秋氣を通ず。犬を以て麻を嘗め、先づ寢廟を祭る。
-
呂氏春秋・仲春⑦是の月や、祀に犠牲を用いず、圭璧、更に皮幣を用う。
-
孔子家語・郊問公曰わく:「其れ郊と言うは、何ぞや。」孔子曰わく:「丘を南に兆すは、陽位に就く所以なり。郊に於てす、故に之を郊と謂う。」曰わく:「其の牲器は何如。」孔子曰わく:「上帝の牛は角璽栗にして、必ず滌に在ること三月。后稷の牛は唯だ具うるのみ、天神と人鬼とに事うるを別つ所以なり。牲は骍を用う、赤を尚べばなり。犢を用うるは、誠を貴べばなり。地を掃いて祭るは其の質なり。器は陶匏を用う、天地の性に象る以てなり。萬物之に稱う可き者無し、故に其の自然の體に因るなり。」
-
呂氏春秋・孟春⑤是の月や、樂正に命じ、學に入り舞を習わしむ。乃ち祭典を修め、命じて山林川澤を祀るに、犠牲は牝を用いること無からしむ。伐木を禁止し、巣を覆すこと無く、孩蟲・胎夭・飛鳥を殺すこと無く、麛とること無く、卵とること無く、大衆を聚むること無く、城郭を置くこと無く、骼を揜い髊を霾めしむ。
-
呂氏春秋・季春⑧是の月や、乃ち纍牛・騰馬・游牝を牧に合わせ、犧牲・駒犢は、舉げて其の數を書す。國人儺し、九門に磔禳し、以て春氣を畢う。
-
孫子・謀攻篇城を攻むるの法は、已むを得ざる為なり。