呻吟語 / 外篇・品藻・這は是れ甚麼の心腸ぞ
而今講學不為明道,只為角勝,字面詞語間拿住一點半點錯,便要連篇累牘辨個足。這是甚麼心腸?講甚學問?
新字:而今講学不為明道,只為角勝,字面詞語間拿住一点半点錯,便要連篇累牘弁個足。這是甚麼心腸?講甚学問?
書き下し
而今講學は道を明らかにするが為ならず、只だ勝を角ふるが為なり。字面詞語の間に一點半點の錯を拿み住めば、便ち連篇累牘して辨じて個の足るを要す。這は是れ甚麼の心腸ぞ。甚の學問をか講ず。
現代語訳
今の学問の講義は道を明らかにするためではなく、ただ勝ちを争うためです。字面や言い回しのあいだに一点二点の誤りを掴めば、すぐ何ページも連ねて論じ尽くそうとします。これは一体どんな心でしょうか。何の学問を講じているのでしょうか。
解説
学術論争の実態を、勝ち負けの争いだと断じます。誤りを一点掴めば何ページも書く。その熱心さが目的の証拠になっています。そして二つの反問で締めます。どんな心か、何の学問か。前に出てきた、言い負かすまでやめないのが最も罪深いという段と同じ主張になっています。熱心さの向かう先で、目的が露わになる構図です。二つの反問で締める書き方が、強く響きます。
この章句が説くこと
論争勝敗揚げ足目的反問
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