呻吟語 / 外篇・品藻・亂道の罪細ならず
無理之言,不能惑世誣人。只是他聰明才辯,附會成一段話說,甚有滋味,無知之人欣然從之,亂道之罪不細。世間此種話十居其六七,既博且久,非知道之君子,孰能辯之?
新字:無理之言,不能惑世誣人。只是他聰明才弁,附会成一段話説,甚有滋味,無知之人欣然従之,乱道之罪不細。世間此種話十居其六七,既博且久,非知道之君子,孰能弁之?
書き下し
無理の言は、世を惑はし人を誣ふる能はず。只だ是れ他の聰明才辯、附會して一段の話說を成し、甚だ滋味有り。無知の人欣然として之に從へば、亂道の罪細ならず。世間此の種の話は十に六七を居る。既に博く且つ久し。知道の君子に非ずんば、孰か能く之を辯ぜん。
現代語訳
筋の通らない言葉は、世を惑わし人を欺くことができません。ただ相手が聡明で弁が立ち、こじつけて一つの話を作り上げ、実に味わいがある。無知な人が喜んでそれに従えば、道を乱した罪は小さくありません。世の中にこの種の話が十のうち六つ七つを占めています。すでに広まり、しかも長く続いています。道を知る君子でなければ、誰が見分けられるでしょうか。
解説
筋の通らない話が広まる条件を、語り手の才に求めます。理屈が通らないのではなく、味わいがあるから従われる。だから無知な人ではなく、聡明な人が道を乱すことになります。そして世の話の六七割がこれだとされ、量の多さが示されます。面白い話ほど疑えという、実際的な戒めです。筋よりも味わいで人が動くという観察が、要点になっています。
この章句が説くこと
こじつけ才弁面白さ伝播見分け
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