呻吟語 / 外篇・品藻・寧ろ破綻の人を用ふ
小廉曲謹之土,循涂守轍之人,當太平時,使治一方、理一事,盡能本職。若定難決疑,應卒蹈險,寧用破綻人,不用尋常人。雖豪悍之魁,任俠之雄,駕御有方,更足以建奇功,成大務。噫!難與曲局者道。
新字:小廉曲謹之土,循涂守轍之人,当太平時,使治一方、理一事,尽能本職。若定難決疑,応卒蹈険,寧用破綻人,不用尋常人。雖豪悍之魁,任俠之雄,駕御有方,更足以建奇功,成大務。噫!難与曲局者道。
書き下し
小廉曲謹の士、涂に循ひ轍を守るの人は、太平の時に當たり、一方を治め一事を理めしむれば、盡く本職を能くす。若し難を定め疑を決し、卒に應じ險を蹈まば、寧ろ破綻の人を用ひ、尋常の人を用ひず。豪悍の魁、任俠の雄と雖も、駕御に方有らば、更に以て奇功を建て大務を成すに足る。噫、曲局の者と道ひ難し。
現代語訳
小さく清廉で細かく慎む士、道に沿い轍を守る人は、太平の時に一地方を治め一つの事を処理させれば、みな本来の職を果たせます。しかし難を定め疑いを決し、急場に応じ危険を踏むとなれば、むしろ破れのある人を用い、並の人は用いません。豪快で強い頭領や任俠の雄であっても、乗りこなす手立てがあれば、さらに奇功を立て大きな務めを成すに足ります。ああ、小さく縮こまった者には語りにくいことです。
解説
平時と非常時で、用いるべき人材が正反対になると言います。平時は慎み深い人、非常時は破れのある人。そして破れのある人の範囲が豪傑や侠客にまで広げられます。ただし条件付きで、乗りこなす手立てがあれば、と。使い手の力量が前提になっている点が、この一段の現実味です。使い手の力量が前提になっている点が、この一段の現実味です。
この章句が説くこと
平時非常時破綻豪傑御し方
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