呻吟語 / 外篇・品藻・只だ這の兩個の念頭に定まる
而今士大夫聚首時,只問我輩奔奔忙忙、熬熬煎煎,是為天下國家,欲濟世安民乎?是為身家妻子,欲位高金多乎?世之治亂,民之死生,國之安危,只於這兩個念頭定了。嗟夫!
新字:而今士大夫聚首時,只問我輩奔奔忙忙、熬熬煎煎,是為天下国家,欲済世安民乎?是為身家妻子,欲位高金多乎?世之治乱,民之死生,国之安危,只於這両個念頭定了。嗟夫!
書き下し
而今士大夫聚首する時、只だ問ふ、我輩の奔奔忙忙、熬熬煎煎たるは、是れ天下國家の為にして、世を濟ひ民を安んぜんと欲するか。是れ身家妻子の為にして、位高く金多からんと欲するか。世の治亂、民の死生、國の安危は、只だ這の兩個の念頭に定まる。嗟夫。
現代語訳
今、士大夫が顔を合わせたとき、ただこう問いなさい。我々がせわしく走り回り、焦り煮え立っているのは、天下国家のためで、世を救い民を安んじたいからなのか。それとも自分の家と妻子のためで、位が高く金が多くなりたいからなのか。世が治まるか乱れるか、民が生きるか死ぬか、国が安らかか危ういかは、ただこの二つの思いで決まります。ああ。
解説
忙しさの中身を、二つの動機で問い分けます。天下のためか、自分の家のためか。外から見れば同じ忙しさですが、行き先が正反対です。そして国の運命がこの二つで決まるとまで言います。動機を問う問いを、集まりの場で出せと勧めるところが実践的で、最後の嘆息が余韻を残します。動機を問う問いを、集まりの場で出せと勧めています。
この章句が説くこと
動機忙しさ公私国問い
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