呻吟語 / 外篇・品藻・眾人にして士大夫の行ひ有る者は榮
不欲為小人,不能為君子。畢竟作甚麼人?曰:眾人。既眾人,當與眾人伍矣,而列其身名於士大夫之林可乎?故眾人而有士大夫之行者榮,士大夫而為眾人之行者辱。
新字:不欲為小人,不能為君子。畢竟作甚麼人?曰:眾人。既眾人,当与眾人伍矣,而列其身名於士大夫之林可乎?故眾人而有士大夫之行者栄,士大夫而為眾人之行者辱。
書き下し
小人と為るを欲せず、君子と為る能はず。畢竟甚麼の人と作るか。曰く、眾人なり。既に眾人ならば、當に眾人と伍を為すべし。而して其の身名を士大夫の林に列するは可ならんや。故に眾人にして士大夫の行ひ有る者は榮、士大夫にして眾人の行ひを為す者は辱なり。
現代語訳
小人にはなりたくないが、君子にはなれない。結局どんな人になるのでしょうか。答えて言う。大勢の人です。すでに大勢の人であるなら、大勢の人と並ぶべきです。それでいて身と名を士大夫の列に並べてよいのでしょうか。だから、大勢の人でありながら士大夫の行いがある者は栄えであり、士大夫でありながら大勢の人の行いをする者は辱めです。
解説
中途半端な立場を、大勢の人と名づけます。そして肩書きと行いのずれを問います。身分が下でも行いが上なら栄え、身分が上でも行いが下なら辱め。前に出てきた、下働きが綱常を立てれば師事するという段と同じ主張で、こちらは肩書きを持つ側の恥として述べられています。肩書きを持つ側の恥として、述べられた一段です。中途半端な立場に、名前を与えた一段でもあります。
この章句が説くこと
衆人士大夫肩書き行い栄辱
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