呻吟語 / 外篇・品藻・那一種の人裡にか沒からん
賢人君子,那一種人裡沒有?鄙夫小人,那一種人裡沒有?
新字:賢人君子,那一種人裡没有?鄙夫小人,那一種人裡没有?
書き下し
賢人君子は、那一種の人裡にか沒からん。鄙夫小人は、那一種の人裡にか沒からん。
現代語訳
賢人や君子は、どの種類の人の中にいないでしょうか。卑しい者や小人は、どの種類の人の中にいないでしょうか。
解説
身分や職業で人を分けることを、二つの反語で否定します。どんな集団にも賢人はいるし、どんな集団にも小人はいる。前に出てきた、僕隷や乞食でも忠孝節義をなせば師事するという議論と同じ立場です。集団の属性で人を測る癖を、二十字足らずで封じた一段になっています。集団の属性で人を測る癖を、二十字足らずで封じています。
この章句が説くこと
属性集団偏見賢愚混在
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『呻吟語』外篇・品藻・未だ其の聖賢爲るを許さずんばあらず僧道・宦官・乞丐も、未だ其の聖賢爲るを許さずんばあらず。我儒衣儒冠にして且つ儒に類せず。彼顧りみて以て之を嗤ふを得。奈何ぞ異類と為して之を鄙夷せんや。
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『呻吟語』外篇・品藻・至此不為君子、真小人なり君子事に當たれば、則ち小人も皆な君子と為る。此に至りて君子と為らざるは、真の小人なり。小人事に當たれば、則ち中人も皆な小人と為る。此に至りて小人と為らざるは、真の君子なり。
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『呻吟語』外篇・品藻・皆な偏なり小人も亦た好事有り。其の人を惡めば則ち並びに其の事を疵とす。君子も亦た過差有り。其の人を好めば則ち並びに其の非を飾る。皆な偏なり。
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『呻吟語』外篇・品藻・終日相ひ與すれば其の類分かつ可し或るひと問ふ、「君子小人は之を辯ずること最も難きか」と。曰く、「君子にして小人の跡に近く、小人にして君子の態を為すは、此れ誠に辯じ難し。若し其の大都ならば、則ち皂白の掩ふ可からざるが如し。君子の容貌は敦大老成、小人の容貌は浮薄瑣屑なり。君子は平易、小人は蹺蹊なり。君子は誠實、小人は奸詐なり。君子は讓ること多く、小人は爭ふこと多し。君子の言は雅淡質直にして惟だ以て意を達す、小人の言は鮮濃柔澤にして人に可なるを務む。君子は自ら奉ずること節儉恬雅、小人は自ら奉ずること汰侈彌文なり。此の類の如き者は、色色頓に殊なる」と。
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『呻吟語』外篇・人情・這個の念頭は君子か小人か世の人は、人の過失を聞けば便ち喜びて談じ樂しみて之を道ふ。人の已の過ちを規するを見れば、既に之を掩護して、又た之を痛疾す。人の稱譽を聞けば、便ち欣喜して之を誇張す。人の人の善を稱するを見れば、既に之を蓋藏して、又た之を搜索す。試みに思へ、這個の念頭は君子か、是れ小人か。
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『呻吟語』外篇・品藻・眾人にして士大夫の行ひ有る者は榮小人と為るを欲せず、君子と為る能はず。畢竟甚麼の人と作るか。曰く、眾人なり。既に眾人ならば、當に眾人と伍を為すべし。而して其の身名を士大夫の林に列するは可ならんや。故に眾人にして士大夫の行ひ有る者は榮、士大夫にして眾人の行ひを為す者は辱なり。