呻吟語 / 外篇・品藻・黨錮の諸君は褊淺無度量
黨錮諸君,只是褊淺無度量。身當濁世,自處清流,譬之涇渭,不言自別。正當遵海濱而處,以待天下之清也,卻乃名檢自負,氣節相高,志滿意得,卑視一世而踐踏之,譏謗權勢而狗彘之,使人畏忌奉承愈熾愈驕,積津要之怒,潰權勢之毒,一朝而成載胥之凶,其死不足惜也。《詩》稱「明哲保身」,孔稱「默足有容,免於刑戮」,豈貴貨清市直,甘鼎鑊如飴哉?申、陳二子,得之郭林宗幾矣。顧廚俊及吾道中之罪人也,僅愈於卑污耳。若張儉則又李膺、范滂之罪人,可誅也夫!
新字:党錮諸君,只是褊浅無度量。身当濁世,自処清流,譬之涇渭,不言自別。正当遵海浜而処,以待天下之清也,却乃名検自負,気節相高,志満意得,卑視一世而践踏之,譏謗権勢而狗彘之,使人畏忌奉承愈熾愈驕,積津要之怒,潰権勢之毒,一朝而成載胥之凶,其死不足惜也。《詩》称「明哲保身」,孔称「黙足有容,免於刑戮」,豈貴貨清市直,甘鼎鑊如飴哉?申、陳二子,得之郭林宗幾矣。顧廚俊及吾道中之罪人也,僅愈於卑污耳。若張倹則又李膺、范滂之罪人,可誅也夫!
書き下し
黨錮の諸君は、只だ是れ褊淺にして度量無し。身濁世に當たり、自ら清流に處るは、之を涇渭に譬ふれば、言はずして自ら別る。正に當に海濱に遵ひて處り、以て天下の清きを待つべし。卻って乃ち名檢自ら負み、氣節相高しとし、志滿ち意得て、一世を卑視して之を踐踏し、權勢を譏謗して之を狗彘とす。人をして畏忌奉承せしめ、愈いよ熾んに愈いよ驕り、津要の怒を積み、權勢の毒を潰し、一朝にして載胥の凶を成す。其の死は惜しむに足らざるなり。
現代語訳
党錮の禁に連なった人々は、ただ狭く浅く度量がありませんでした。身を濁った世に置きながら自分は清流に立つのは、涇水と渭水のように、言わずとも自ずと分かれます。まさに海辺に沿って身を置き、天下が澄むのを待つべきでした。ところが名と節操を自負し、気節の高さを競い、志が満ち意が得意になって、一世を見下し踏みつけ、権勢を謗って犬や豚のように扱いました。人に畏れ憚らせ追従させ、盛んになるほど驕り、要路の怒りを積み、権勢の毒を破らせ、ある朝すべてを巻き込む凶事を招きました。その死は惜しむに足りません。
解説
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