呻吟語 / 外篇・品藻・心粗は便ち是れ學の濟らざる處
有涵養人心思極細,雖應倉卒,而胸中依然暇豫,自無粗疏之病。心粗便是學不濟處。
新字:有涵養人心思極細,雖応倉卒,而胸中依然暇予,自無粗疏之病。心粗便是学不済処。
書き下し
涵養有る人は心思極めて細かし。倉卒に應ずと雖も、胸中依然として暇豫にして、自ら粗疏の病無し。心粗きは便ち是れ學の濟らざる處なり。
現代語訳
養いのある人は心遣いがきわめて細やかです。とっさに応じても、胸の内は変わらずゆったりしていて、自然と粗く疎かになる病がありません。心が粗いのは、学問が行き届いていないところです。
解説
養いの深さを、とっさの場面での細やかさで測ります。急場でも胸の内がゆったりしているから、粗くならない。そして心の粗さを、性格ではなく学問の不足と断じます。前に出てきた、崩れかけた時に何が残るかという段と同じ立場で、こちらは細やかさという一点に絞られています。心の粗さを、性格ではなく学問の不足と断じています。
この章句が説くこと
涵養細やか急場粗疎学問
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