呻吟語 / 外篇・聖賢・無過の外に更に聖人無し
無過之外,更無聖人;無病之外,更無好人。賢智者於無過之外求奇,此道之賊也。
書き下し
無過の外に、更に聖人無し。無病の外に、更に好人無し。賢智なる者の無過の外に奇を求むるは、此れ道の賊なり。
現代語訳
過ちが無いということの他に、聖人はありません。病が無いということの他に、良い人はありません。賢く智恵ある者が、過ちの無いその先に奇抜さを求めるのは、道を損なう賊です。
解説
聖人と善人の定義を、無いことだけで示します。過ちが無い、病が無い。それ以上は要りません。そして、その先に何かを求める者を道の賊と呼びます。優れた人ほど付け加えたくなるという心理を突いており、完成を足し算ではなく引き算で捉える立場が、はっきり示された一段です。完成を足し算ではなく、引き算で捉える立場です。
この章句が説くこと
無過定義引き算奇賊