呻吟語 / 外篇・世運・上官の眼底に工夫を做す
古之居官也,在下民身上做工夫;今之居官也,在上官眼底做工夫。古之居官也尚正直,今之居官也尚縠阿。
書き下し
古の官に居るや、下民の身上に在りて工夫を做す。今の官に居るや、上官の眼底に在りて工夫を做す。古の官に居るや正直を尚び、今の官に居るや縠阿を尚ぶ。
現代語訳
昔の官にあった者は、下の民の上で工夫をしました。今の官にある者は、上役の目の前で工夫をします。昔の官にあった者は正直を尊び、今の官にある者は迎合を尊びます。
解説
役人の工夫の向きが、下から上へ変わったことを指摘します。昔は民のために、今は上役の目の前で。そして尊ばれるものも、正直から迎合へ変わった。二つの対比だけで、官の堕落が過不足なく描かれます。前の段で官の気風が最も変えにくいとされた理由が、ここで具体的に示されています。官の気風が最も変えにくい理由が、ここで具体化されます。
この章句が説くこと
官向き上役迎合正直
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